全てのベトナム人に当てはまるわけではありませんが、その人の性格や考え方というのは、生まれ育った環境にもある程度影響されています。県民性という言葉も、こうした根拠に基づいて生まれました。

以下、ベトナム人を採用する上で知っておいたほうがよいこと、配慮すべき点などをまとめました。

 

ベトナム社会主義共和国の基礎知識

人口は、約9549万人、40年前と比較して、2倍強の人口数であり、急速な増加傾向が続いています。2017年までは、二人っ子政策が行われるなど、人口は抑制がなされてきました。平均年齢は、31歳であり、2017年の統計によれば、ベトナムの全人口のうち、約半数が30歳以下となっています。日本人と比較して、若い労働力が多く、活気にみなぎっています。首都は、北部のハノイで、最も大きな都市は、南部のホーチミンです。

南北に細長い地形をしており、北部は四季があり、地理的には中国と国境を接し、南部は熱帯モンスーン気候で、アジアの海域に大きく開かれており、古くから「政治の北、経済の南」と言われています。宗教は、ベトナム人の大半は、仏教徒です。一般的に、ベトナム人を雇用している企業が、宗教上の配慮を必要という話はあまり聞くことはなく、宗教については、日本人と感覚的に似ているような気がします。但し、個人の宗教観には配慮する必要はあります。

 

高い介護福祉士国家試験合格率

ベトナム人介護士は、身分系、特定活動(EPA)、「介護」「技能実習」「特定技能」と様々な在留資格で働いています

日本におけるベトナム人介護士のはじまりは、2014年、ベトナム政府との二国間でEPA「経済連携協定」により、介護人材育成と派遣が開始されました。

ベトナム版特定活動(EPA)の特徴として、ベトナムの参加資格要件が、「ベトナム国内における3年生または4年制の看護過程を修了した者」となっています。(インドネシア、フィリピンでは看護系統の学校の修了以外の条件は不要)そして、訪日前、母国での12ヵ月間の日本語研修が行われ、日本語能力試験N3合格者のみが、次の段階である介護事務所とのマッチングに進むことができます。入国時の日本語能力にN3レベルを要求するのは、ベトナムのみで、インドネシア(N4以上)フィリピン(N5以上)より厳しいものとなっています。介護の現場では、N3の日本語能力は、必要最低限のレベルという声が強く、現場が、安心感を持って、介護実習生を受け入れることができます。ベトナム人は、もともと、向上心が強く、熱心に勉強する人が多く、それが、この高い介護福祉士の国家試験の合格率で実証されたと言えるでしょう。

具体的に数値をみても、第32回(令和2年度)介護福祉士国家試験において、経済連携協定(EPA)に基づき日本が受け入れた介護福祉士候補生の中から、ベトナム人138人が新たに介護福祉士国家試験に合格しました。これにより、初年の2018年から2020年までのベトナム人の累計合格者数は320人となりました。同試験については、EPA(ベトナム、インドネシア、フィリピン)全体の受験者数は758人、合格者数は337人、合格率は44.5%。合格者を国籍別に見ると、ベトナムが138人、インドネシアが107人、フィリピンが92人となっています。合格率はインドネシアが36.5%、フィリピンが29.4%で、ベトナムは90.8%と最も高くなっています。

近年、介護分野に限らず、日本で働くベトナム人の数は急増しており、この3年間で、日本国内のベトナム人労働者は、倍増となっています。

2019年度、ベトナム人労働者は、中国についで、第2位 316,840 人 (全体の21.7%)となっています。増加率については、第1位の伸びで、前年同期比 31.9%増(+76,581人)。

その内訳は、技能実習生は、45.1%とほぼ半分を占めており、いかに多くのベトナム人技能実習生が日本に訪れているかわかります。(厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年 10 月末現在))

介護分野のベトナム人技能実習生は、2018年度650名(介護分野技能実習生総数1803名)です。この数字は、介護技能実習生の国別の1位です。

また、介護養成施設に入学する外国人留学生も、総数1142人のうち、ベトナム人留学生542人であり。47.4%であり、こちらも国別1位です。

2020年9月現在、新型コロナウィルス感染症の影響もあって、特定技能は伸び悩んでいるようですが、介護の分野へのベトナム人介護士の進出は、今後も増えていくことが予想されます。

 

ベトナム人が日本で働くことを希望する理由

介護分野に限らずですが、ベトナム人労働者が、日本で働くことを希望する理由の一つに、ベトナム政府の政策が背景にあります。2016年より全土の小学校で日本語を英語と並んで「第一外国語」として教えることを目指す方針が発表しています。

そして、何よりも、日本の給与の高さにあります。ベトナム人労働者の平均月収は、約3万円程度であり、日本の介護職員(勤続1年未満)の月給は、17万~18万円(厚生労働省の「介護人材の確保について」)に比べると、とても安い水準と言えます。

ベトナム人技能実習生に言われることとして、「3年で、家が建つ」という言葉があります。ベトナムの物価も上がり状況は次第に、変わってきていますが、親戚中に借金をしても、日本に来る若者が絶えない理由はここにあります。

ベトナム人労働者は、日本以外にも、フランスやアメリカに出稼ぎに行く人もいるそうですが、費用や手続きは、日本に行くことが、一番、安価で、効率的だそうです。また、日本の治安の良さは世界一ですので、安心して生活することができます。

 

ベトナム人介護士の国民性、性格、特徴について

長幼の序を重んじることを理解

ベトナム人の性格は、とても「素直」で「純粋」と言われています。上司の指示に、素直に従い、最大限の効果をあげよう努力します。真面目に仕事に取り組み、責任感を持って行います。また、ベトナムには、韓国や日本と同様に「儒教文化」が根付いており、目上の人を敬い、お年寄りを大切にします。年長者を尊敬するため、上司、先輩、同僚が年上であれば指示に従いやすい一方、年下の上司、先輩、同僚は指示に従うことを躊躇するところがあります。最初の段階で、年齢に関係なく、上司の介護での経験年数やスキルの高さを伝えて、日本では、年齢は下でも、上司には敬意をもって接する必要があることなどを伝えておく必要があります。ベトナム人の高齢者に尊敬の念を持って接するという特性は、介護の現場でも、とても、役立つと考えられます。

 

向上心・向学心が旺盛

ベトナム人は、もともと教育熱心で、識字率が90%以上と非常に高いことで知られます。日本や中国、韓国に負けず劣らずの受験勉強をするため、ベトナム人材の教育水準はアジアでも高いといえます。

介護の分野においても、ともかく熱心で日本語の勉強に取り組みます。介護福祉士の合格率の高さもその表れと言えます。また、手先が器用な人が多く、細かい作業も苦としない人が多いです。

 

人とのコミュニケーションを大切にする

ベトナム人は、初対面でも、知らない人に対しても、積極的に話しかけ、すぐに、仲良くなります。もともと集団で過ごすことが好きで、仲間との時間を大事にします。飲み会などもの職場での集まりにも、厭うことなく、積極的に参加します。ベトナム人材の雇用の定着には、施設内外での行事に誘い、積極的にコニュニティーションを図ることにより、「孤独を感じさせない」努力も必要です。

また、日本人に比較すれば、はっきりと自分の意見を言う自己主張の強い面もなるので、何か問題があったときは、きちんと話し合う必要があります。ベトナム人に日本人特有の「空気を読む」ことを求めることは難しいです。

 

時間にルーズ、休暇は大切

日本人に比較して、時間には、ルーズです。5分、10分程度の遅れは、ベトナム的には、問題ないと考えられがちです。多くの利用者様がいる施設で、公平に、迅速なサービスを受けていただくために、やはり、時間はきちんと守らなければいけないことを教える必要があります。

また、ベトナムでは日本のような新年を祝う行事は、中国の「春節」と同じ時期に「テト」と呼ばれて実施されています。基本的に 1 月末から 2 月初めに「テト」となり、この前後 10 日余りは休暇モードに入ります。この時期の休暇は、ベトナム人にとって非常に重要であると言われていますので、一時帰国を希望するか否か、職場のシフト上可能かどうかなど、できる限り、早めに相談するような配慮が求められます。

 

プライドがとても高い

ベトナム人は、勤勉で真面目な人が多い分、常に、何事も一生懸命やっています。それでも、何か失敗して、上司から注意を受けることがあるかもしれません。しかし、こんな時、他の同僚がいる前で、叱ることは厳禁です。ベトナム人は、人前で叱られる、他の人から笑われることに、非常に、プライドが傷つけられます。どうしても、注意をする必要がある時、別室などに呼び、個別に注意を与えるなど配慮が必要です。

 

覚えておきたいベトナム語

こんにちは:Xin chào(シンチャオ)

ありがとう:Cảm ơn(カムオン)

すみません/ごめんなさい:Xin lỗi (シンローイ)

ご飯食べましたか?:ăn cơm chưa?(アンコムチュア?)

お元気ですか?:khỏe không(コエコン?)

おいしい!  Ngon qua(ンゴン クア〜):

暑い、熱い!Nong qua(ノン クア〜):

寒い! Lanh qua(ライン クア〜

 


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