外国人をはじめて採用する時、いろいろな心配事が出てくると思います。このページでは、採用前に出てくる懸念事項をまとめました。
外国人の日本語力はどれくらいありますか?
採用時に既に日本に住んでいる外国人の場合(日本人と結婚している外国人など)、その方の日本語力については、ある程度、安心できると思います。
海外から外国人を呼び寄せる場合について解説します。海外から呼び寄せる場合は、技能実習生もしくは特定技能外国人のいずれかになることが多いです。
まず、技能実習生についてですが、彼らは来日前に6ヶ月以上の日本語研修をしています。そして日本語能力試験N4レベルの日本語を習得してきます。
N4レベルとは:基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる
特定技能外国人については、N4合格に加え、技能評価試験及び日本評価試験にも合格しています。ですから、仕事で使用される専門用語の意味を理解しています。
いずれにしても、正式採用前に、1~2回の面接(オンライン面接や現地面接)がありますので、日本語力については、その時に確認できます。面接で日本語力をより正確に確認するコツについては、別記事で紹介します。また、働いているうちに、仕事で必要な日本語はすぐに覚えます。ですので、この点については、必要以上に心配される必要はないかと思われます。
外国人の日本語学習を支援する方法
特定技能外国人の場合、日本語能力試験N4、日本語評価試験の両方に合格しているため、基本的な日本語については、入職時に習得すみです。技能実習生についても、N4レベルの日本語力を持っています。
しかし、やはり現場でのコミュニケーション力を上げるために、日本語のブラッシュアップは必要です。意識の高い外国人は自ら日本語学習ツールを探すのですが、その探し方がわからないといった声も聞かれます。そこで、企業側として、サポートできること、情報提供できることを紹介したいと思います。
近隣のボランティア日本語教室を案内する
現在、日本全国でボランティア日本語教室が開催されています。市町村主催のものもあります。こうした情報は市町村の広報誌に掲載されますし、市町村役場に電話で確認することもできます。
また、民間のボランティア団体が開催されるものについては、インターネットで検索すると出てきます。「〇〇市 ボランティア日本語教室」で検索すると出てきます。
無料の日本語学習アプリ、ユーチューブなど
無料で利用できる日本語学習アプリがたくさんありますので、スマートフォンにダウンロードして学習してもらうことができます。また、最近では、日本語講師がユーチューバーとしても活動しています。彼らの動画は非常に面白く、飽きないように工夫されています。日本語のテロップもあり、短時間で効率的に学習するのに適しています。1日10分こうした動画を見るだけでも、3か月後には日本語力の向上が実感できると思います。
社内で日本語レッスンを実施する
外国人が複数いる場合、日本語講師を雇うこともできます。雇うといっても、常勤雇用する必要はありません。週1回2時間来てもらうといったことも可能です。また、オンラインレッスンでもよいでしょう。多少の費用はかかりますが、プロの講師に教わるメリットは大きいです。プロの日本語講師は、日本語教授法、シラバスの作成法等に関する体系的な知見があります。また、授業の時間を決めることで、日本語学習に対する強制力が働くというのもメリットです。
おすすめの日本語教室
●アジアランゲージセンター(東京都千代田区・講師派遣ご相談)
行政書士が運営する、日本語、タイ語のスクールです。講師派遣もご相談ください。
香港発のオンライン日本語教室です。日本人向けの中国語、広東語オンラインスクールもあります。
やさしい日本語とは何ですか?
やさしい日本語とは、 「簡単でわかりやすい日本語」ということです。
- はっきり、ゆっくり、短い文をつないで話す
- 主語、目的語、述語をできるだけはっきりさせせる→日本人は主語を省略しがちです
- 伝えたいキーワードを強めに言う
- 内容を理解したかどうか確かめながら話す
理解していなくても「わかりました」と言ってしまう場合もありますので、説明したことを実際にやってもらって確認するなど、作業も一緒に教えることが効果的です
- 最初は、できるだけ標準語で話す →「~です」「~ます」の丁寧語の使用
- 敬語は極力使わないようにする
- 敬語、謙譲語、丁寧すぎる日本語は、外国人介護士を混乱させます
- 漢字の熟語より、やさしい言葉を使う。例えば「開始します」という表現を「始めます」に置き換えるなど、一般的なやさしい言葉を使う方が理解しやすくなります。
- 文書を書くときは、漢字は極力使わず、(使う場合はルビを使う)ひらがな中心とします。
外国人に対する日本語教育のポイント
現場で用いられている言葉を、その場でその仕事を覚え、言葉を得していくことは、最も効果的な学習方法と言えます。
例えば、介護現場では、入浴や体を清潔にする介助をする場合、「手浴」(しゅよく 洗面器にお湯で手を洗う)「足浴」(そくよく 桶などにお湯を張り、足を洗う)「清拭」(せいしき ベッドに横になった利用者様の身体を、お湯で絞ったタオルで拭く)という日本語は、一般的な日本語とは言えず、介護作業を行いながら、覚えていくことが効果的と言えます。
聞き間違いや理解不十分なままの行動を防ぐ
外国人介護人材が理解不十分なまま利用者に対して返答をしてしまうと、誤解やトラ
ブルも起こりかねません。聞き取れなかったことや分からなかったことは再度確認をと
ったり、日本人職員を呼んでコミュニケーションをとるよう徹底しておきます。
日本語が上達しないと、どうしてもコミュニケーション不足になり、精神的に行き詰ったり、仕事の能率も下がり、ひどい場合は、仕事をやめたくなったり、ホームシックになって、帰国ということにもなります。
文化の違いについて留意することは?
言葉の問題以外に、外国人と働くためには、文化による違いが職場での意思疎通を阻む場合もあるということを理解することが大切です。なお、採用時に宗教について尋ねるのは日本人採用と同様に禁止されていますので、宗教等の配慮はあくまで勤務に影響する事柄を確認する程度にとどめましょう。
ベトナム人、フィリピン人などのいくつかの国では、人前で怒られることに慣れておりません。日本人であれば、ちょっとした注意をしたつもりでも、当該外国人が、恐怖を感じることもあるようです。
また、日本人は、意見が異なる場合、日本では相手を傷つけないよう曖昧な表現を用いますが、外国人には、その意図がわからず、理解に苦しむことがあります。
日本人職員も外国人職員も、国によるコミュニケーション方法に違いがあるということをまず、認識することが必要です。定期的に、率直に意見を言い合う場など設けて、お互いに確認しあうことが必要です。
また、日本の多くの職場では、「報告・連絡・相談」が重要とされていますが、そのような文化がない国もあります。それゆえ、外国人に、誰に、いつ、どこで、「報告・連絡・相談」するべきかを明確にするということが、とても重要です。
慣れないうちは、日本人職員側から、報告、連絡を確認し、常に相談しやすい雰囲気をつくる必要があります。言葉は使うことで上達しますので、「報告をする」「連絡をする」「指示は復唱する」のように、できるだけ多く発話する機会を意図的に設けていきます。
また、外国人の多くは、「できますか?」と聞かれたときに、「できます」と答える人が多いです。しかし、この「できます」には、「一生懸命頑張ってやってみます」という意味である可能性もあります。
ゆえに、質問を「やってみますか?」に変更し、実際に一度、目の前で、やっているところを確認してから、仕事をお願いするなどの工夫をする必要があります。
日本人職員であれば、言葉で説明し、一度やって見せれば、なんとなく理解できることでも、外国人には理解できないことがあります。簡単な日本語の説明のある、写真や図などを多用したマニュアルを作成し、それを見ながら、実際にやってみると理解が深まります。
時間管理、休暇の取得方法は、ルールを定める
外国人の多くは、日本人に比べ、時間厳守が求められない環境で育ち、時間管理の感覚が異なっている場合が多いので、この点も注意が必要です。
日本の企業では、就業時間外に勉強会等を行うことも多いですが、外国人には、残業代がなく強制的な拘束を受けていると誤解されるおそれもあります。なぜ勉強会に参加して欲しいのかを真摯に説明して、納得をしてもらった上で参加してもらうなどの明確な説明が必要となります。
外国人採用時、企業側でどのような準備をすればよいですか?
外国人受け入れについての全職員説明会を開く
経営幹部だけでなく、現場の職員も含め、全職員に対しての説明会を開きましょう。パートさんも含めてです。
現場の職員だからこそ、気づくこともあるからです。
職員説明会を開くことによって、外国人採用について、心の準備と体制の準備ができます。
また、外国人が仕事をしやすい環境を作ることにより、結果として日本人も仕事をしやすい環境となります。
もし、外国人採用についての反対意見が出たなら、その理由を詳しく聞きましょう。そのうえで、対策可能かどうか検討してください。特に、直属の上司が反対しているなら、強引に採用してもうまくいかない可能性が高いです。
職員説明会をしないことのリスク
こうした職員説明会を行っておかないと、外国人社員への誤解や会社への不満につながることがあります。また、外国人が入職すると、お客様等から、「なぜ外国人が働いているの?」「安く雇っているんじゃないの?」「不法就労じゃないよね?」などと聞かれて、きちんと答えれずに、事実と異なる噂が流れてしまうこともあります。ですから、職員説明会は必ず行っておきましょう。
職員説明会で話すこと
外国人を採用する理由
採用理由については、原則として正直に話しましょう。将来、海外展開する計画がある、外国人の利用者対応に必要だからという理由があればそれでよいです。
求人を出しても応募がない、人手不足が深刻な課題になっているといった理由の場合、これだけを話すとネガティブに捉えられてしまうため、外国人採用の良い点にも触れておきましょう。
外国人を採用するメリット
外国人を採用するメリットについては他の記事でも紹介しています。会社によっては、意外なメリットがあるかもしれません。日本人社員にとって刺激になること、異なる環境で育った外国人から学べることがあること、海外から覚悟を持ってきているため安易にやめないことなどです。
外国人の日本での就労動機
外国人が日本で働くというと、お金のためと思われる方が多いと思いますが、全員がお金のためだけではありません。就労動機は人によって異なります。中には、将来、母国に戻って事業を立ち上げたいと思っている方もいますし、日本が好きだから日本で働きたいという人も多くいます。
外国人の住居を準備
日本人社員のために用意する借上社宅、社員寮と同程度の広さ、清潔感があれば問題ありません。
外国人だからといって、多少汚くても狭くても大丈夫という考えは危険です。
自分たちは大切にされていないと感じ、モチベーションの低下につながります。また、今後の外国人の応募も減る可能性があります。
逆に、良い住環境であれば、口コミで広がり、次の採用にもつながります。
インターネット環境は必須
ほとんどの外国人は、仕事が終わってから、ほぼ毎日、母国の家族や友人達とインタネットの通話アプリを使って会話を楽しんでいます。人によっては、自宅にいる間は繋ぎっぱなしの人もいます。ですから、自宅にインターネット環境は必須です。日本に来たばかりの外国人がネット回線の契約をするのは困難ですので、ネット環境については施設側で整備しておきましょう。
社内書類のルールを決める
多くの外国人にとって、手書きの日本語の文字というのはかなり読みづらいものです。私達日本人も、英語ネイティブの外国人が手書きで書いた英文を読みづらいのと同じです。
ですから、できるだけ丁寧に簡潔に書くようにしましょう。そうすることで、日本人間の連絡もスムーズになることがあります。また、申し送り書の書き方を統一したり、チェックシート形式にしたりして、誰が見てもすぐに分かるようにしておくとベ便利です。
近隣にある外国人支援リストを作成
現在、多くの自治体では外国住民に対する各種支援を行っています。例えば、日本語学習支援、生活支援、日本人との交流会などがあります。また、外国語で対応可能な病院リストを公表している場合もあります。
こうした情報を一覧にまとめ、外国人が入職したときに、すぐに渡せるようにしておきましょう。小さなことですが、渡された外国人は、自分達が大切にされていると感じ、仕事へのモチベーションも上がると思います。
外国人が病気やケガをした場合、どうすればよいですか?
万が一の事態に備えて念書を用意
外国人が、万が一、事故に遭い、緊急手術が必要になった場合、日本人の親族(夫や妻)がおられるのでしたら、日本人社員と同じように対応すればよいかと思います。つまり、親族に連絡をとり、手術同意書にサインをもらいます。
問題は、日本に親族がいない場合です。就職時に身元保証人をたててもらっている場合は、その身元保証人に連絡します。身元保証人もいない場合に備えて、平時から以下の準備しておくとよいです。
〇日本在住で連絡のつく人に、身元保証人になってもらう。これは入社に際しての身元保証ではなく、あくまで緊急時の対応(手術同意書にサイン)のための身元保証です。
〇万が一に備えて、外国人社員本人から念書を取っておく。本人および本人の両親に書いてもらうとより安心ですね。
文面例は下記です。
「万が一、緊急手術等が必要になり、私の意識がない場合、あるいは私の意思表示が困難な場合、会社および医療機関の判断に従います。その判断について事後に異議申し立てを行いません。」
〇(平時に)顧問弁護士に状況を伝えておき、緊急時の対応についてアドバイスを受ける。個々の状況により、ベストな判断をするためには、弁護士など専門家のアドバイスを事前に受けていたほうがよいでしょう。
至急、外国人の親族を日本に呼ぶ方法
北米や欧州、韓国、台湾など、査証免除国の方であれば、航空券さえ取得できればすぐにでも来日することができます。しかし、査証免除国でない場合、来日するために、査証申請を行う必要があります。通常であれば、速くても6日ほどかかります。
日本に住む外国人に有事があり、至急、母国の親族を日本に呼ぶ必要が出た場合、すぐに現地国の日本大使館に相談してください。
通常、正当な理由があれば即日、おそくとも翌日には査証が発行されます。診断書、上申書などが必要となる場合が多いですので、日本側で準備しておいてください。なお、緊急の場合、診断書や上申書などは、メールやFAXで確認できる状態であればよしとされることが多いです。
外国人を採用する時、保証人をつけられますか?
日本国内に親族や親しい知人がいる場合、その人に身元保証人になってもらうことができます。ただ、現状として、外国人介護士を含め、日本で働く外国人に保証人がいる場合は少ないです。
万が一の場合に備え、保証会社を利用することもできます。最近では、外国人の身元保証に特化した保証会社も増えてきました。「外国人 身元保証人」で検索するといくつか出てきます。
残業や夜勤がありますが、対応できますか?
この点は面接時に確認できます。当法人の経験上、面接を希望する応募者の中で、残業できません、夜勤できませんという人はいませんでした。また、人材紹介会社を利用する場合は、最初から、残業や夜勤対応可能な人を紹介してもらえばよいでしょう。
外国人の離職率はどれくらいですか?
永住者や日本人と結婚している外国人介護士については、法律上、どのような仕事でもすることができますので、退職も本人の自由です。ですので、離職率については、日本人とそれほど変わりません。
海外から呼び寄せる外国人の場合、つまり特定技能外国人や技能実習生の場合、退職→帰国となることもあるため、安易な気持ちで退職をしないです。覚悟を持って来日しているので、よほどのことがない限り、退職はしない傾向にあります。
外国人の過去の犯罪歴などを調べることはできますか?
現在の法律では、第三者が他人(外国人含む)の犯歴を調べることはできません。ただ、もし外国人が過去に重大犯罪を犯している場合、日本に入国できません。空港の入国審査で止められます。重大犯罪者については、各国の入国管理官憲で情報が共有されていますので、この点は安心してください。
外国人の住居はどのように準備すればよいですか?
海外から呼びよせる場合や、入職にともない近くに引っ越してくる場合は、できれば、会社側が住居を用意してあげたほうがよいです。特に、地方の場合、外国人との賃貸契約はNGという大家さんが一定数いるからです。
家賃については、外国人介護士の給与からの天引きで構いません。ただ、この時、家賃以上に天引きすることは避けてください。最近、この点についても行政の指導が厳しくなっております。また、こうした扱いは、いずれ外国人にもばれます。自分達が大切にされていない、不当に搾取されていると感じると、早期退職にもつながります。
長期休暇は必要ですか?
これは、その人によります。日本の正月とその国の新年の時期が異なることもよくあります。例えば、ベトナム人の場合、日本の正月を勤務してもらう代わりに、ベトナムの新年のお祝い(テト)の時期(1月末~2月)に長期休暇を与えるという方法もあります。
仕事以外はどこまで関わればよいですか?
基本的に、日本人と同じでOKです。あまり外国人のことを気にしすぎると、日本人社員からのやっかみが生じる可能性のあるからです。
雇用条件について改めて説明する
外国人が入社したら、まず、予定される勤務形態について改めて説明しましょう。残業の有無、夜勤の有無、必ずしも土日祝日が休みではない場合なども、あらかじめ周知しておく必要があります。
休暇・休日の種類と取得方法についても、受入れ施設で決められたルールについて、本人に事前に説明するようにします。年次有給休暇の取り方も示すとともに、母国への一時帰国等に際して長期休暇を取る場合の留意点を具体的に説明します。
有給休暇は労働者の権利ですが、自分の都合だけで自由に休んでよいという権利ではないことを説明しましょう。忙しい時期に休むことは避けること、その代わり母国への一時帰国で連続休暇を認めるなど、お互いが納得できる形のルールを作っておくと、働きやすい職場となります。
生活面のサポート(海外から呼ぶ場合)
外国人が日本で働いていくためには、生活環境を整えることも重要です。職場だけでなく地域社会にも順応できるよう外国人が暮らしやすい環境づくりに配慮することが期待されます。
住宅の確保や契約の支援、公的制度の手続き(ビザの手続きや住民登録、健康保険への加入や支払いなど)、携帯電話、インターネット使用環境の整備、生活必需品をそろえるための支援等が必要となります。
また、食事や買い物の仕方、トイレやお風呂の使い方、病院のかかり方や薬の購入方法、電車やバスの乗り方、ゴミ出しのルール、銀行口座の開設などの生活上のルールなども支援が必要な場合があります。
情報共有、職場用語の統一など
外国人の入社前に職員説明会を開き、受け入れ体制を整えるましょう。また、実際に入職してみて、改善すべき点や、気づいた点などを洗い出すことも重要です。
例えば、日常介護業務のマニュアル化、職場の言葉の統一、担当の分担等、改善できる点があれば改善していきましょう。
外国人スタッフに対してのお客様の反応はどうですか?
一概には言えませんが、おおむね好意的に受け入れられることが多いです。最近では、コンビニエンスストアやデパートでも外国人スタッフがたくさん働いていますので、外国人がいても、すぐになじむことが多いです。
介護の現場では、入居者から外国人介護士に対して、「遠い国からやってきてくれてありがとうね」と声を掛けられることもあります。また、外国人介護士が契約期間を満了して帰国する際には、手を握って涙を流す入居者もおられます。
3ヶ月に1度の個人面談で退職率が改善
外国人の能力を確認し、仕事や会社に対する不安や不満を早期に見つけるには、定期的な個別面談が有効です。
個別面談では、これまで仕事で達成できたことを確認し、それに対する上司の評価を伝えます。そして、今後達成したいことを具体的に決めます。あと、不安に思っていることをヒアリングします。外国人社員に不安なことが何もなくても、上司とのコミュニケーションになり、上司への感謝や上司との信頼関係が生まれます。
レジャーの機会を設ける
国によっては、社員旅行が生まれてはじめての旅行という人もいます。ですから、多くの外国人介護士は、施設の社員旅行やバーベキューなどのイベントが大好きです。
そして、旅行やバーベキューに行ったら、多くの外国人介護士はそのことをSNSに投稿します。楽しそうなSNSの写真を見た母国のご家族は、安心することでしょう。
日本で楽しそうに仕事をして、職場の人ともうまくやっている、毎月仕送りもしてくれる。こういう状況だと、紹介で次の採用者が決まることもよくあります。
一般的に、外国人が日本で働きたいと思った場合、何社も応募しません。家族や友人が働いていて、良い評判を聞けば、その会社に応募し、受かったらその会社に就職するという考えが一般的です。
絶対に避けるべき外国人へのハラスメント
外国人へのハラスメントが問題になることがあります。外国人の採用を機に、ハラスメントについてもルールや基準を設け、そのルールに逸脱するような行為があった場合の対処法についても、決めておいたほうがよいでしょう。
外国人にとっても、きちんとしたルールがあるなら、ここは我慢すべきだ、これは上司に報告すべきだという基準が分かり、ストレスも軽減されます。
「日本ではこれくらい当たり前」の行為が、外国人にとってはハラスメントになってしまうこともよくあります。外国人採用を機に、お互いを尊重する心を大切にし、気持ちよく働ける職場づくりをしましょう。
絶対にやってはいけないことは、特定の国や宗教に対する持論を展開することです。外国人にとっては、自分のルーツや宗教は、自分の命、人生に等しいものであることがあるからです。
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