外国人材の面接は準備が9割

なぜ準備が重要なのか

優秀な人材であればあるほど、また、人手不足の業界であればあるほど、外国人材は売り手市場です。特に優秀な人材は、すぐに採用が決まります。

しかし、給料を高くして採用するのは現実的に難しいと思われます。日本人社員とのバランスもあります。ですから、面接という限られた時間の中で、優秀人材を選ぶ、選ばれるための準備やノウハウが非常に重要になってきます。

 

面接での質問内容を書きだす

当たり前だと思われるかもしれませんが、外国人材の場合、日本人面接とは違う観点からの質問を準備しておく必要があります。

例えば、学歴。当然、履歴書にも学歴は記載されていますが、学部名まで記載されていないことがよくあります。また、外国語で作成された履歴書の場合、日本にはない学部もありますし、日本語に翻訳する際に、違訳されてしまうケースもあります。海外の大学の場合、仕事に直接役立つ実践的な内容を学んでいることもよくありますので、大学で学んだ内容については、詳しく聞きましょう。

また、履歴書の中から、日本や日本企業と関連するキーワードを探しましょう。特に、これまで、日本に留学したことがない、日本で働いたことがない外国人の場合、なぜ日本で働こうとしているのかを知る上でヒントとなります。

この他、日本語力に関する項目も必ず確認しましょう。何等かの日本語能力試験に合格しているのであれば、その点数や、勉強方法について聞いてみるのもよいでしょう。例えば、ビジネスで使える日本語をマスターしていると言われている日本語能力試験N1の合格点は100点です。そして、満点は180点です。100点ぎりぎりで合格している人と、満点近くで合格している人は、日本語力にかなりの差があります。

 

雑談の重要性

外国人応募者の中には、人生はじめての面接だという方もいます。人生はじめての面接が、「オンライン面接」、しかも「国際面接」ということで、必要以上に緊張してしまうケースも多いです。そんな時、面接官が、雑談や軽い質問をしてあげると、応募者の緊張がほぐれることがよくあります。例えば、「うちの会社では、こういうイベントがあってね・・・」といった話をしてみましょう。また、仕事には直接関係のない質問、例えば、「日本料理を食べたことがありますか?」、「好きなスポーツは何ですか」といった質問をすることで、応募者の意外な資質や能力を発見できることもありますし、そこから会話が盛り上がることもよくあります。

外国人の面接では、1を聞いて10の返事が返ってくることは稀です。ほとんどのケースでは、1を聞けば返ってくるのは1です。0.5の時もあります。ですから、質問を最低10個、雑談ネタ(軽めの質問含む)を10個用意しておきましょう。いろいろな質問をする中で、応募者の意外な一面を発見できることがよくあります。

 

面接官の自己紹介と押しの一言

面接のはじめに面接官が自己紹介するかしないかは、面接の質に影響することがあります。例えば、面接官が、「〇〇会社の〇〇と申します。本日は面接に参加いただき、ありがとうございます」と一言お礼を言うだけでも、応募者は安心します。

また、面接を重ねていくと、「絶対この人を採用したい」と思える優秀な外国人材に出会います。そんな時は、応募者にささる押しの一言を使いましょう。その場で考えていては遅いです。気の利いた言葉はなかなか思いつかないものです。事前準備として、貴社ならではの「押しの一言」をぜひ準備しておいてください。

 

オンライン面接ならでは留意点

オンライン面接は、参加者が多くなる傾向にあります。筆者の経験では、最大15名の参加者がいるオンライン面接がありました。日本人側が10名です。これだけ大人数いると、応募者は、誰が面接官なのか、誰がオブザーバーなのか見分けがつかず、混乱してしまうこともあります。ですから、原則として、顔出しは、面接官と応募者だけにしましょう。そのほうがシンプルです。オブザーバーは、顔出ししない、原則発言もしないというルールを決めたほうが、応募者も安心して面接に臨めます。

 

面接後にやること

面接後には、面接記録を作成しておくことをお勧めします。録画でもよいのですが、録画だと、後から質疑応答の場面を探すのに時間がかかることがあります。記録する内容は、質問内容、回答内容、面接官のコメントなどです。一字一句書き起こす必要はありませんが、どんな質問をしたら、どんな回答が返ってきたか、記録しておくことで次につながります。

 

給与についての説明

外国人は、総額給与ではなく、手取りの給与を非常に気にします。優秀な外国人介護士ほど、給与で選ぶ傾向にあるため、給与に関する説明には注意が必要です。

当法人の外国人採用プログラム(人材紹介サービス)をご利用いただく際には、当法人のコーディネーターが給与について、事前に説明させていただきますが、面接時にも再確認される場合があります。その場合、下記のように説明すると、応募者が納得しやすいです。

  • 給与から差し引かれるものは4つあります。
  • 全て、日本の法律で決まっているものです。
  • 1つ目は健康保険です。これは、日本で病気やケガをした時の病院代や薬代を安くするための保険です。
  • 2つ目は年金です。10年以上、日本の年金を支払うと、将来、日本の年金をもらえます。10年以上、日本に住まない時は、約30%の年金が戻ってきます。
  • 3つ目は税金です。
  • 4つ目は雇用保険です。退職したときに、次の仕事が決まるまでの間にもらえるお金です。

 

外国人の面接で質問すること

最初に、簡単に自己紹介していただけますか?

日本に来たことはありますか?

何年くらい住んでいましたか?誰と住んでいましたか?

なぜ、当社で働きたいのですか?

大きな病気をしたことはありますか?

好きなスポーツはありますか?何かスポーツをされていますか?

1年に何回くらい、母国に帰りたいですか?

夜勤は可能ですか?

希望する給与額はいくらですか?

将来の目標は何ですか?

 

英語での面接質問例

簡単に自己紹介していただけますか?

Could you tell us about yourself ?

 

かいごの仕事は、どんな仕事だと思いますか?

What kind of work do you think is a care job?

 

何年くらい、日本で働きたいですか?
How many years do you want to work in Japan?

 

日本のどんなところが好きですか?
What do you like about Japan?

 

今まで一番つらかったことは何ですか
What was the hardest thing you’ve ever done?

 

しょうらいの もくひょう は何ですか?
What are your future goals?

 

なぜ介護の仕事をしたいのですか?
Why do you want to work as a caregiver?

 

高齢者の面倒を見た経験はありますか?
Have you ever taken care of an elderly person?

 

なぜ当社で働きたいと思いましたか?
Why did you want to work for us?

 

あなたの長所と短所は何ですか?
What are your strengths and weaknesses?

 

希望する給与額はいくらですか?

How much do you expect to get paid ?

 

何か質問はありますか?
Do you have any questions?

 


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